colony1.ブドウと酵母

14/14
前へ
/65ページ
次へ
「やったー!じゃあ、明日からよろしくね、未紗ちゃん」 そう言って彼は大袈裟に喜ぶと、私にくるりと背を向けて、軽い足取りで院生部屋の中に消えて行ってしまった。 その背中を見送りながら、私は今更だけど、面倒なことに首を突っ込んでしまったことを後悔する。 そよ風のようでいて、嵐のような騒ぎを巻き起こす変人さん-。 …それが私の、オヅケンさんに対する第一印象だった。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加