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「先輩方、どうぞブドウ、召し上がって下さい!」
長方形の黒いテーブルの周りで遅い昼食をとっている先輩たちに、私は勇気を振り絞って、ハニカミながらブドウを差し出した。
「お、うまそうじゃん。ありがとう、未紗ちゃん」
たいていの先輩たちはそう言って、丸々と熟した漆黒の実を、おいしそうに口に運んでいってくれた。
良かったぁ、喜んでもらえて。
ほっと胸をなで下ろす私。
…そう。ここまでは良かったはずだ。
実家から送られてきたブドウを、先輩たちに『食べてもらおう』と、差し入れをする。
ごく自然な行為だ。
じゃあやっぱり、おかしいのは-!
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