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「なっ!!待て、咲哉!!」
「ごめん、それ無理」
俺はそのまま座標を自分の家にセットして、転移した。
「……ふぅ……駄目だな俺は……」
《マスター、F・A・T・Eって何ですか?》
「そうか、お前はあん時産まれて無かったんだよな。………簡単に言うとクローンを造り出す計画だよ」
《クローン……それも違法じゃないですか!……でも、何でクローン何かを?》
こいつめ、今日は深く突っ込んで来やがる。
「プレシアの娘は、事故で死んだんだ。最愛の娘が死んだ事で、プレシアは廃人も同然だったらしい。だが、その当初に、俺はプレシアに目をつけられた」
《……マスターのレアスキルですね》
「そうだ。プレシアは多分管理局のデータをハッキングし、俺のデータを見たんだ。風の噂程度にしか思わなかったんだろうな、あいつは。だが、データを見た事で確信し、俺の前に姿を表した」
あいつが言ってることが気にくわなかった。
死んだ代わりの娘のクローンを造る。それがどれだけ虚しいか……俺には少なからず分かっていた。
ガキの俺でもだ。
だがあいつは、プレシアは分からなかった。
そしてあいつは………。
「たく……久しぶりにクロノっちと話せて嬉しかったが……あいつもいるとなると、どの面下げて行きゃあ良いんだよ」
あの白いバリアジャケットを来たガキ。
確か、なのはとか言ったか。
あいつもどうやら俺を嫌ったらしいな。
「……そうだよな。俺はどうやら誰とも相容れない存在だもんな」
《マスター……私がついています》
「クライド……サンキューな」
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