南国おやじ

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「おっちゃん、最近勝ってんすか?」 僕はストレートに聞いた。 恐らくパチンコ屋の店員が客に聞く言葉では無い。 しかしおっちゃんは、 『おう!南国のおかげでだいぶ楽させてもらってるよ!』 「………。」 南国おやじは嘘はつかない。 僕は、[今月は調子悪かったんだ]と、仮説を立てた。 そして僕は、翌月も南国おやじの収支をチェックした。 そして翌月末、僕は再び事務所で南国おやじの収支が書かれたノートを見て、計算機を叩き出した。 [-240.500] やはり、もう一度計算した。しかし、揺るがない、[-240.500]。 めちゃくちゃ負けてんじゃねーか!!何が南国のプロだ!? 僕は、来店した南国おやじを呼び止め聞いた。 「おっちゃん、本当に勝ってんすか?」 すると南国おやじは、 『おう!南国のおかげでだいぶ楽させてもらってるよ!』 揺るがないセリフ。 うん、彼は嘘付きだ。 ギャンブルをやる人はよく見栄を張ると聞く。まさしく南国おやじは典型的にそのタイプだ。 僕は南国おやじは、嫌いな人じゃない。負けていても機嫌が悪くなる事も無く、気さくで良いおっちゃんだ。 だからこそ、僕は南国おやじを更正させたかった。そして、僕は言った。
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