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その日の教室…
時間は昼休み。
俺は一時間目から昼休みまでずっと寝ていた。
いや、寝ていたと言うよりは顔を伏せていただけだ。
退部になったことを親になんて言えばいいだろうか?
どん!
いてっ、誰だよって言おうとしたら、
「たっいーがー!」
って呼ばれたので誰かわかった。
背中を叩いてきて俺の名前をふざけて言っているコイツは、倉田って云う同じクラスの女の子だ。
「そのアッキーナみたいな呼び方さぁ、そろそろ辞めてくれん?」
「たっいーがはたっいーがやからいいねん」
倉田はニコニコ笑っている。
目鼻立ちの整った長髪サラサラストレートの倉田の笑顔は素直に可愛いと思う。
「ってか今日全然元気ないなぁ。どうしたん?」
「ん?まぁ…色々あって…」
色々と言ったが一つの悩みが大きすぎるだけだ。
「何があったか教えてー」
倉田とは仲がいいし相談してもいいかも…よし、相談するか。
「野球部…退部になってもーてな…。どうしたらいいかわからへんねん…」
「そんなことで悩んでたん?らしくないなぁ」
「だって好きな野球辞めさせられてさ…」
倉田は急にクスクス笑い始めた。
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