ブロローグ 入学→転校

10/11
前へ
/171ページ
次へ
その日の教室… 時間は昼休み。 俺は一時間目から昼休みまでずっと寝ていた。 いや、寝ていたと言うよりは顔を伏せていただけだ。 退部になったことを親になんて言えばいいだろうか? どん! いてっ、誰だよって言おうとしたら、 「たっいーがー!」 って呼ばれたので誰かわかった。 背中を叩いてきて俺の名前をふざけて言っているコイツは、倉田って云う同じクラスの女の子だ。 「そのアッキーナみたいな呼び方さぁ、そろそろ辞めてくれん?」 「たっいーがはたっいーがやからいいねん」 倉田はニコニコ笑っている。 目鼻立ちの整った長髪サラサラストレートの倉田の笑顔は素直に可愛いと思う。 「ってか今日全然元気ないなぁ。どうしたん?」 「ん?まぁ…色々あって…」 色々と言ったが一つの悩みが大きすぎるだけだ。 「何があったか教えてー」 倉田とは仲がいいし相談してもいいかも…よし、相談するか。 「野球部…退部になってもーてな…。どうしたらいいかわからへんねん…」 「そんなことで悩んでたん?らしくないなぁ」 「だって好きな野球辞めさせられてさ…」 倉田は急にクスクス笑い始めた。
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加