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2009年9月。
そろそろ肌寒くなってくる季節。
中学硬式野球の三年生は全試合が終わり、高校の入学試験に向けて勉強に熱をいれる時期だ。
俺の名前は森笠大河。
小学一年生の時からずっと野球を続けてきた。
天才と云うには程遠いが、小学生の時は四番ピッチャーで大阪大会ベスト8。
中学生の時は三番外野手として関西秋季大会はベスト8、ローカル大会は三回優勝した。
そこそこチームに貢献してきた。
そんな俺は監督と長机を一つ挟んで良い知らせを聞くことになる。
「お、俺が兵庫県の強豪野球部明暗高校から推薦!?」
「あぁ、お前の実力が認められたんや」
「ほ、ホンマですか!?」
「あぁ、ほんまや」
「よっしゃあ!!あの甲子園常連の名門校から推薦かぁー!!」
俺は座っている椅子が倒れるくらい勢いよく立ち上がった。
「もちろん明暗にいくよな?」
「もちろんっす!!」
「お前ならやっていけるで。頑張れよ!」
「はいっ!!」
俺は監督に一例をしてその場を立ち去った。
そして俺はルンルン気分で自転車を走らせた。
あとは受験に受かるだけか。
そこまでバカじゃないからおそらく受験に落ちることはないハズ…。
そんなことより入学してからが楽しみだ。
どんな練習をするのだろうか?
一年生からレギュラーになれるだろうか?
そんな期待とは裏腹に明暗高校に入学して悪夢をみることを、この時の俺は知らなかった。
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