ブロローグ 入学→転校

2/11
前へ
/171ページ
次へ
2009年9月。 そろそろ肌寒くなってくる季節。 中学硬式野球の三年生は全試合が終わり、高校の入学試験に向けて勉強に熱をいれる時期だ。 俺の名前は森笠大河。 小学一年生の時からずっと野球を続けてきた。 天才と云うには程遠いが、小学生の時は四番ピッチャーで大阪大会ベスト8。 中学生の時は三番外野手として関西秋季大会はベスト8、ローカル大会は三回優勝した。 そこそこチームに貢献してきた。 そんな俺は監督と長机を一つ挟んで良い知らせを聞くことになる。 「お、俺が兵庫県の強豪野球部明暗高校から推薦!?」 「あぁ、お前の実力が認められたんや」 「ほ、ホンマですか!?」 「あぁ、ほんまや」 「よっしゃあ!!あの甲子園常連の名門校から推薦かぁー!!」 俺は座っている椅子が倒れるくらい勢いよく立ち上がった。 「もちろん明暗にいくよな?」 「もちろんっす!!」 「お前ならやっていけるで。頑張れよ!」 「はいっ!!」 俺は監督に一例をしてその場を立ち去った。 そして俺はルンルン気分で自転車を走らせた。 あとは受験に受かるだけか。 そこまでバカじゃないからおそらく受験に落ちることはないハズ…。 そんなことより入学してからが楽しみだ。 どんな練習をするのだろうか? 一年生からレギュラーになれるだろうか? そんな期待とは裏腹に明暗高校に入学して悪夢をみることを、この時の俺は知らなかった。
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加