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6月3日
そろそろ長袖が辛くなるころ。
今日の天気は湿りっぽく、ジメジメしている。
今日は酷いイジメにあった。
もちろん中里に。
俺がグラウンド整備をしていた時、たまたま中里がいた方をみた。
中里は何故か俺の方をずっとみている。
なんだか気持ち悪い。
俺は中里から目線を反らし再びグラウンド整備を始めた。
すると中里がゆっくり近づいてくる。
「おぃ、森笠ぁ、お前俺の方をジロジロみてなんだ?」
はぁ?
つくづく意味のわからん奴だ。
「いや、みてませんけど」
「嘘つくな。お前外周走ってこい。俺がいいって言うまで走れ」
「待ってくださいよ!俺、中里コーチんことなんかジロジロみてません。そんな趣味ありませんから」
この時の俺は多分感情剥き出しだっただろう。
とても腹立たしい。
「お前もういいわ。帰れ。一生ここ来んな」
「なんでそうなるんすか?中里コーチは俺に恨みでもあるんですか?」
「……」
中里は黙りこむ。
特に理由もなく俺に嫌がらせをしてるのだろうか?
「…お前が嫌いなだけだ。」
理由になってねぇ。
「はぁ…、わかりました。じゃっ帰らせさせていただきます」
俺は持ってたトンボを地面に投げつけてその場を去った。
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