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6月11日
ついにこの日が来てしまった。
一週間ぶりに野球部の練習に行けることになった。
学校とグラウンドは違うところにあり、学校が終わると教科書やユニフォームなどが入った重たい鞄を背負いながらグラウンドまで約20分歩かなければならない。
俺のクラスは野球部が俺一人なのでいつも一人でグラウンドに向かっている。
山を登り降りしてるうちにグラウンドに着いた。
グラウンドの部室に向かっていると中里がいた。
なんか嫌な予感がする。
俺が中里の横を通り抜けると
「待て待て待て待て」
と中里のかん高い声が聞こえてきた。
なんなんだよ。
「お前なんで挨拶しなかったんだ?おっ?」
「スイマセンでした」
「なんだその謝りかた?ふざけてるのか?」
…どう考えても普通の謝りかただろ。
意味がわからん。
「お前カバン貸せ」
と言うと中里は俺の肩からカバンを無理矢理取ってきた。
「おい、返せよ」
「タメ口か?なめてるだろ」
「人のカバンとるからアカンねやろ!ふざけんのも大概にせぇや!」
俺は中里の胸ぐらを掴んだ。
「クビになってもいいんだな?」
「お前のおるとこで野球するくらいなら辞めてやる。…どうせ監督に色々ゆーてるんやろ?」
「お前にしては勘がいいな。お前を辞めさせる為に俺は色んなこと…」
どかっ!
「なにするんだ!」
中里の顔面を思いっきりしばいた。
中里は殴られた左頬を押さえている。
俺「このことを部長先生に言おうがなにしようが勝手にすればいい。ただ自分のやったことを考えろ。俺はこの学校ごと辞めてやる」
俺はそう言ってその場を立ち去った。
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