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「あと少しだな」
先程まで喜びに満ちていた彼女の表情は一瞬にして何かに警戒する者の表情と化した。
それは彼女が常に『予言』のアビリティを装備していたからだ。
「日が昇りきったと同時に大地震……」
ファリスは遠くに見える明るくなり始めている地平線を睨みつける。
「何が起ころうとしている」
すると太陽の光が薄明るかったタイクーンを照らしだした。
それと同時に彼女が予言した通り、大規模な地震が起こった。
「うわっ!!」
その地震はタイクーンだけではなく世界中に影響を及ぼした。
タイクーンの西にある山を崩し、向こう側へ行けるようになった。
しばらくしてその地震は収まり、城内がざわつき始めた。
ファリスは態勢を元に戻すと太陽が昇ってきた方向を見つめた。
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