衝撃の再会

6/29
前へ
/462ページ
次へ
「てかさー、リイが長年想い続けた愛しい愛しい“桜の君”が激太りになって、超ブサイクになってたらウケるよね?頭とかハゲてたりして!」 「ハゲはやめて、ハゲは。お父さんだけで充分。美沙は何も知らないからそんなこと言えるんだよ。ヒロくん超カッコよかったんだからねー。顔は勿論、優しくてスポーツ万能で、勉強はそんなに得意じゃなかったけど物知りでさ」 「マジ!?是非、お目にかかりたいもんだわ」 お腹を抱えてゲラゲラ笑う美沙が、本当に悪魔だと思った。 桜並木をしばらく歩けば一際綺麗に咲いたソメイヨシノが土手を降りた所に見えてくる、側を流れる川は太陽の光を浴びキラキラ輝いていた。 その場所は昔、子供だった私達が結婚の約束を交わした桜。 (綺麗に咲いたよ、今年は一緒に見れるといいね。) 「ねぇアレ、やばくない?」 「何?」 「………あそこ」 観賞に浸っていると、美沙が土手に咲いているソメイヨシノの根元を指さして眉間にシワを寄せている。
/462ページ

最初のコメントを投稿しよう!

891人が本棚に入れています
本棚に追加