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「……何よ……アイツ等……」
そこにたむろするのは、カラフルな頭髪をしたいかにもな不良3人組。ヤンキー座りで煙草を吸っているその姿は、絶対お近づきになりたくない人種だ。
しかもあの制服。紺色の学生服を着てるから、同じ桜華高校の人間だし。
「もう、最低。あの場所は、あんな奴らが踏み込んで良い場所じゃないのに」
「ほっときなよ。こんな時に優等生ぶり発揮しなくても……って、は?え、ちょっと、リイ!?」
慌てて止めに入った美沙を振り切って、土手の階段を降りて不良三人組の方へと向かう。
あの桜だけは、誰にも汚されたくない。
「ここで喫煙するの、やめてもらえませんか?」
「あ?何、オマエ」
「やめてと言ってるのが聞こえない?煙草吸いたいだけなら、ここじゃなくて別の場所でも良いじゃない」
「……るせぇ女」
真っ赤な髪をトサカみたいに立たせた変な不良が、眉間に皺を寄せて立ち上がり、腰まで下げたズボンのポケットに手を突っ込んだまま大股で歩いてくる。
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