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教室に入っても美沙はしつこく「金髪のイケメンどこぉ??」とキョロキョロ探し回っている。
できればもう二度とお会いしたくない人種だと心の中で悪態をつきながら、窓際の一番後ろにある自分の席に座って外を眺めていると、
―ガラッッ!!
「はい、皆ー。出席番号順に席へ座ってねー」
教室のドアが開いて、白のスーツに身を包んだ30代くらいの綺麗な女の先生が入ってきた。
「ねぇねぇ。スカート丈短くない?あれ、男ウケ狙ってるのバレバレだよねー」
「ちょっ、美沙、席あっちじゃん」
美沙は確か、廊下側にある一番前の席だったはずなのに、どうして私の目の前に座っているんだろう。
「ああ、あの子に席替わってもらったの」
「誰?」
「あの眼鏡のダサい奴。」
そう言って小太りの眼鏡君を指差した。
なるほど……可哀想に。
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