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「……比呂君?」
私が小さく呟いた言葉が届いたのか、金髪男はソファーに座ったまま肩をピクッと動かした。
背を向けているから、顔も表情も読み取れない。
「馴れ馴れしくしないでよ。あんた一体何なの!?」
「何って……」
「ヒロは私のだから。あんたみたいな地味女相手にしないの」
運悪く横にいたパンダ女にも聞こえたらしく、なんとも恐ろしい顔をして睨んでくる。
――…この女、人間なのか?
「………私は」
「うるせぇから消えろ。」
―ドンッ!!
「きゃっ」
威圧感たっぷりの低い声が聞こえたと思ったら、金髪男が女を突き飛ばし灰皿に煙草を押し付けて立ち上がった。
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