衝撃の再会

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「何なのよ、もう最悪!!」 パンダ女は真っ黒い涙を流しながら、逃げるように保健室を出て行った。 残された私と彼の間には、気まずい沈黙が続く。 「……お前も消えろ」 「え?」 ポケットから煙草を取り出し口に加えると、チラッとこちらを見て窓を開く。 あの薄茶色い瞳…… 私が大好きだった“ひろくん”の瞳だ。 忘れるばずがない。 「比呂君……だよね?リーだよ!忘れちゃった?」 「知らねぇよ。聞こえなかったか?消えろっつってんだよ」 「何で……」 「出てけ」 見たことのない冷たい表情を浮かべる彼に、背筋が凍ってその場から動くことができない。   これは夢? ……イヤ、違う。 目の前にいるのは10年前に引っ越した彼の姿。随分変わってしまったけど、間違いない。
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