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彼はお腹を押さえながらベッドにゴロンと寝転がる。
「……大丈夫?」
「なわけねぇだろ」
やり過ぎたかもしれない。だけど私にキスした比呂君が悪いし先程のことを思い出すと顔から火が出そうなくらい熱くなる。
「私のこと本当に覚えてないの?」
「俺はお前が思ってる奴じゃねぇ、わかったらさっさと消えろ。今度はマジで襲うぞ」
「……ファーストキス」
「あぁ?」
「私のファーストキス返せこの金髪バカ野郎!!」
大声で叫び、側にあった薬やタオルなどを全て投げつけ保健室を飛び出した。
「……ファーストキスか。
お前も覚えてねぇじゃん」
彼が小さく呟いた言葉は、二度と私の耳に届くことはない。
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