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――…気が付いたら学校を飛び出し、比呂君と約束を交わしたソメイヨシノの下で膝を抱えて泣いていた。
途中、小太り眼鏡君が脳裏を過ったが気にする余裕など何処にもなかった。
「ぅ…ヒックッ…」
何故あんなに冷たい瞳をしていたんだろう、だけど彼は間違いなく“ひろくん”。
10年も想い続けた人の顔忘れるわけがない――…
“俺はお前が思ってるやつじゃねぇ、わかったら消えろ”
もう、私のことなんて忘れちゃったの?
約束のソメイヨシノは何も変わらずここで咲いているのに、昔の優しい彼はもうどこにもいないかった――…
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