もう一つの出会い

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「莉衣、超遅いんだけど!?いつまで待たせるつもり」 少し離れた桜の木の下に座り、化粧直しをするみぃが眉間に皺を寄せて睨んでくる。  ぅわ、怖い。 「ごめんね」 「帰りにジュースおごってくれたら許す。それよか莉衣、八神君と知り合いなの?」 「え?」 「なんか近寄れない雰囲気だったし、遠くから見てたら揉めてる感じだったから」 「知り合いって言うか実は…」 美沙は比呂君が例の“桜の君”だとは当然思ってないらしいので、学校に向かいながらゆっくりと事の成り行きを説明する。 “お前見てると虫酸が走る。昔の記憶引き摺って自分は純粋みたいな顔して気持ちわりー” あんなに酷い事言われたのに心がまだキミを好きだと叫んでる――…
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