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「マジ!?八神君が“桜の君”とか超意外だし想像と違う」
話し終わった瞬間、お腹を抱えてゲラゲラ下品に笑う美沙が本当に悪魔に見えた。
「……笑いすぎ」
「だって莉衣と八神君の組合せなんて全然似合わないもん」
確かに私は髪だって真っ黒だし制服のスカートは膝下で化粧さえもした事ない程真面目だけど比呂君がまさかあんなに変わってるなんて………
「莉衣子、幻滅したんでしょ?憧れてた桜の君が八神君で」
「そんなことないよ」
「嘘だね、八神君と話してる時浮かない顔してたよ」
美沙が私を“莉衣子”と呼ぶときは真剣な話をする時。
幻滅なんてしてない。只変わってしまった彼にどう接すればいいのかそれが分からないだけ。
だけど美沙が言うように動揺を隠せなかった私は知らず知らずのうちに比呂君を傷付けていたのかもしれない――…
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