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ザワついた教室に入ると比呂君の姿は見当たらなくて代わりに隣の席にいる小太り眼鏡、中山優(ナカヤマユウ)君が嬉しそうに駆け寄って来る。
「コレ頼まれたCDです」
「マジ!?もう手に入ったの!?嬉しい、ナカちゃんありがとう」
「安西さんの為ですから」
これまた驚いたことに中山君は彼女に惚れたらしい。「やめとけ」と言いたいけど彼の嬉しそうな顔を見るとそれ以上何も言えなかった。
恋って恐ろしい――…
「幹さん。これ八神君のノート写しお願いしますね」
「うん」
「じゃあ僕はこれで。また何かあったら言って下さい」
中山君は美沙にCD、私にノートを渡すと丁寧にお辞儀をして元いた自分の席へ戻って行く。
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