もう一つの出会い

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「あーあ、どうするの?中山君真剣だよ」 「分かってる。てか私クラシックなんて聴いたことないし」 「はは……だろうね」 美沙は満更でもなさそうな顔をしてチケットを眺めている、クラシックなんて似合わないなんて口にしたら怒るだろうな。 「良いこと思い付いた。八神君誘って四人で行かない?」 「え?」 「決定だね。そうと決まれば早速――……」 「ちょっと、勝手に決めちゃ駄目!絶対無理だよ!」 「なんでよ?」 「断られるに決まってるもん」 人の意見も聞かず淡々と話を進める美沙に呆れ、椅子から立ち上がったと同時に…… 「幹 莉衣子ちゃん?」 耳に届いた、 低くてとても穏やかな声。
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