もう一つの出会い

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――…憂鬱な放課後、比呂君は結局一度も教室に姿を現さなかった。 「八神君みたいにクールなのも良いけど五十嵐さんの甘酸っぱさも捨てがたい」 「何それ、意味不明」 「ん―…どっちを取っても悔いが残るって事」 「ますます分かんない」 「お子様の莉衣には無理か」 「ねぇ…それよか暗くなるまで付き合ってくれない?」 早々に帰る支度を始めた美沙に助けを求めたけど「マジ無理お疲れ」と言い残し、教室から出て行った。 薄情モノ。誘拐されたら訴えてやるんだから。 キーンコーン… 「ふぁ~」 頬杖をつきグランドで部活をする生徒を眺めていると段々睡魔が襲ってきていつの間にか深い眠りに落ちていた――…
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