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比呂君、逢いたい。
もう、幸せだったあの頃には戻れないのかな?
“嫌いなんだよ、下らねぇ感情に俺を巻き込むな”
自然と涙が頬を伝う。
「ふっ……バカみたい、帰ろ」
黒板の真上にある時計は既に20時を過ぎたとこ。さすがに誘拐男も諦めただろうと思い、帰る支度をして教室を出た。
――…この頃の私は自分のことで精一杯で、比呂君が抱えている辛い現実を何一つ理解してあげる事ができなかったんだ。
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