衝撃の再会

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「姉ちゃんはよー。一生に一度しかない記念の日に寝坊とは、随分余裕だよなー」 「ゲッ悠真だし。まだ居たの」 急いで1階のリビングへ降りるやいなや、中学三年の弟の悠真(ゆうま)が哀れむような視線を向けてくる。 「可愛い弟に向かってゲッってナニ。つーか久しぶりに部活が休みの充実した早朝に、女子とは思えない雄叫びは勘弁してくれよな。ご近所に合わす顔がない」 「相変わらずの減らず口め。文句なら目覚まし時計にどうぞー」 「は?イイ歳こいて責任逃れかよ」 ああ言えばこう言う悠真の相手をしていたら本当に遅刻しそうだ。坊主頭を睨み付けながら駆け足で洗面台へ。歯を磨きながら台所のお母さんへ叫ぶ。 「おひょーさんは?(お父さん)」 「どうしても外せない会議があるって言わなかった?莉衣子も早くご飯食べなさい」 「言ってた気がする。頭も印象も薄いから、すっかり忘れてたわ」 「……それ禁句。父さん、残念がってたよ。姉ちゃんが夜も寝ず猛勉強した皆無なしく受験失敗して、ギリで受かった滑り止めの桜華の入学式出れないからさ」 答案の解答欄がずれて受験に失敗した事実を蒸し返しやがって。 こいつ、抹殺して良いですか?
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