6、試練

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「行こう!」 俺は、リカの手を掴んで、一刻も早くこの場を立ち去りたかった。 「待って、まだ片付けが‥。」 「俺がやっとくよ。」 海という奴が余裕なのは、毎日リカのそばにいられるからなのか、海は手を振って見送った。 「瞬!」 リカは、慌てて手を振り払った。 「気をつけないと‥。」 常に、俺はリカに気を遣わせている。 一歩外に出れば、離れて歩くし、会話もない。 それが、どんなに些細な時間でも。 リカは、イチャイチャしながら歩くのが大好きだし、ハワイにいる時なんか、至るところでキスをせがんできてたっけ。 リカの家のドアを閉めた途端に俺は、リカをきつく抱き寄せて、すぐにキスをした。 「アイツ‥ゲイって言ってなかった?」 嫉妬で狂いそうだった。 「さっきまで私もそう思ってた‥。 ねぇ、瞬‥気持ちは分かるけど 「何であんなことになってんだよ?」 とにかく、リカに会えないストレスや、焦りがどっと押し寄せていて、俺はリカにきつく詰め寄っていた。 「リカに隙があったんだろ? 俺が知らないことまだあるんじゃねぇ?」 「ない! ‥心配させて、ご‥めん。」 リカが泣き出した。 どんどん涙が出ている。 涙を拭うのが追いつかないほど、ヒクヒクとしながら泣いているリカを見て、俺はリカを責めたことを後悔した。 「リカ…ごめん…。」 1年乗りきって、格好良くプロポーズをしようと決めたのに‥ リカを守りたいのに‥ 全然できてないな‥。 「もうヤダ! 久しぶりに会えたのに、なんでこうなるの? 瞬のこと好きだけど、好きだから、会えないなんて辛いよ! 瞬こそ、周りは綺麗な女の人ばっかりいるじゃない!?」 「俺は何もない!」 「これからは、わかんない!」
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