4、宿命

10/10
前へ
/106ページ
次へ
「リカちゃん?」 和泉が話し掛けてきた。 瞬からは、イトコだと聞いていたけれど、瞬が日本で待ってる彼女は、実は和泉ではないか? と、リカは考えていた。 「ビックリした‥まさか、リカちゃんがココにいるなんて。」 「お久しぶり、和泉さん。 ココ、私のお店なの。」 「…あの、リカちゃん…瞬のこと 「日本に帰ってきたら、瞬があっちこっちで見られてラッキーだった!」 和泉が瞬の彼女だと疑っているリカは、どこか挑戦的だ。 「そうだよね、もう知ってるよね? 改めまして。 瞬のマネージャーなんだけど‥ 和泉 玲子です。」 「マネージャー?」 リカは呆気にとられた。 「瞬にはイトコのふりさせられてたもんね。」 和泉は、クスッと笑った。 「日本で、瞬はあんな風に、隠れながら外出してるし、どこにいても特別扱いされるから‥ ハワイでリカちゃんが普通に接してくれて、心地好かったんだと思うなぁ。 だから、瞬は内緒にしてたのかもね。」 瞬の方を見ると、真っ黒のサングラスをかけてるものの、こっちを見ている。 何となく‥ リカは瞬と見つめ合ってる気がした。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加