5、覚悟

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リカは喜ぶばかりか、振り返ると、猛烈に怒っていた。 「全然分かってないよ! 瞬がそんな簡単に辞めちゃったら、和泉さんはどーなるの? 事務所は? 事務所の人達は? …瞬のせいで、皆が困るんだよ。」 リカは、俺のジャケットを両手で掴んだ。 「じゃ、どーしろっていうんだよ!」 とにかく必死だった。 「だから! …諦めるのよ。」 ジャケットから手を離しながら、リカは俯いた。 俺は、強引にリカの顔を上に向かせて、想いをぶつけるように、キスをした。 「っ‥しゅ、瞬‥。」 「諦めるなんて言うなら、そんな目すんなよ。 俺は!俺は‥もうリカを手放さない!」 自分でも驚くほど、リカを想っている。 たとえ、どれだけの人達を苦しませたとしても、俺の隣にリカさえいればいいと思うほど、自己中になれた。
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