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リカは喜ぶばかりか、振り返ると、猛烈に怒っていた。
「全然分かってないよ!
瞬がそんな簡単に辞めちゃったら、和泉さんはどーなるの?
事務所は?
事務所の人達は?
…瞬のせいで、皆が困るんだよ。」
リカは、俺のジャケットを両手で掴んだ。
「じゃ、どーしろっていうんだよ!」
とにかく必死だった。
「だから!
…諦めるのよ。」
ジャケットから手を離しながら、リカは俯いた。
俺は、強引にリカの顔を上に向かせて、想いをぶつけるように、キスをした。
「っ‥しゅ、瞬‥。」
「諦めるなんて言うなら、そんな目すんなよ。
俺は!俺は‥もうリカを手放さない!」
自分でも驚くほど、リカを想っている。
たとえ、どれだけの人達を苦しませたとしても、俺の隣にリカさえいればいいと思うほど、自己中になれた。
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