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リカのお店は、マンションの1階にあり、リカも同じマンションの上の階に住んでいた。
あの日から、俺達は、リカのお店が終わったら、毎晩会っていた。
もちろん、俺の仕事で無理なときはあるものの。
一緒に時間を過ごすうちに、昔を思い出してきて、いつしか、リカも受け入れてくれるようになっていた。
「あ、このCM!」
リカが指を指すと、俺のデジカメのCM。
「お客さんがね、このCMが超カッコイイ!
て、話してたよ。」
「へぇ。
リカはどう思う?」
「うんうん、カッコイイ!
…でも、あんな風に知らない人達の話に出てきちゃうだけでも、ジェラシーだよ。」
リカは、上目遣いで俺に甘えてくる。
「優越感あるだろ?」
自信満々に慰めようとしたのに、リカは首を大きく左右に振った。
「皆に自慢したいもん。
瞬がこーしてくれた‥とか、瞬がこー言ってくれた‥とか。」
俺はリカの髪を優しく撫でた。
長さは随分と短くなったものの、相変わらず、艶のある綺麗なストレートだ。
「辛抱してくれてんだな。
こーして俺が安らげるように会ってもくれるし。
ありがと。」
リカに会えるのは、夜明け前まで。
人目につかないように、合わせてくれている。
「ちなみに、俺だってジェラシー感じるよ。
客とか海っていう奴にね!」
「海?
なーんで??」
リカはケラケラ笑ってる。
「リカと長い時間いて、好きになんないわけがない。」
俺が珍しく‥初めてハマった女だから、リカの魅力がすぐに分かるに違いない。
「海は絶対にありえないわ。だって、彼はゲイだもん。」
ビックリした!!
「あんなに美形なのに勿体ないよね。」
この時、俺は安心したけれど、そのうち‥とんでもないことになる。
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