5、覚悟

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リカのお店は、マンションの1階にあり、リカも同じマンションの上の階に住んでいた。 あの日から、俺達は、リカのお店が終わったら、毎晩会っていた。 もちろん、俺の仕事で無理なときはあるものの。 一緒に時間を過ごすうちに、昔を思い出してきて、いつしか、リカも受け入れてくれるようになっていた。 「あ、このCM!」 リカが指を指すと、俺のデジカメのCM。 「お客さんがね、このCMが超カッコイイ! て、話してたよ。」 「へぇ。 リカはどう思う?」 「うんうん、カッコイイ! …でも、あんな風に知らない人達の話に出てきちゃうだけでも、ジェラシーだよ。」 リカは、上目遣いで俺に甘えてくる。 「優越感あるだろ?」 自信満々に慰めようとしたのに、リカは首を大きく左右に振った。 「皆に自慢したいもん。 瞬がこーしてくれた‥とか、瞬がこー言ってくれた‥とか。」 俺はリカの髪を優しく撫でた。 長さは随分と短くなったものの、相変わらず、艶のある綺麗なストレートだ。 「辛抱してくれてんだな。 こーして俺が安らげるように会ってもくれるし。 ありがと。」 リカに会えるのは、夜明け前まで。 人目につかないように、合わせてくれている。 「ちなみに、俺だってジェラシー感じるよ。 客とか海っていう奴にね!」 「海? なーんで??」 リカはケラケラ笑ってる。 「リカと長い時間いて、好きになんないわけがない。」 俺が珍しく‥初めてハマった女だから、リカの魅力がすぐに分かるに違いない。 「海は絶対にありえないわ。だって、彼はゲイだもん。」 ビックリした!! 「あんなに美形なのに勿体ないよね。」 この時、俺は安心したけれど、そのうち‥とんでもないことになる。
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