6、試練

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リカは俺のおかげで、いち早く、大河ドラマの出演者をチェックしていた。 「あ、樺島 碧も出るんだ!」 リカは俺達が付き合ってたことを知ってるのか? リカは日本にいない間のことだけど‥ 「可愛いよね~。 私、結構ファンなんだ~。」 マジかよ‥。 「ふぅん。」 下手に何も言えなくて、そっけなくした。 「あ、そーだ! コレ渡してよ。」 リカは、お店のカードを差し出した。 「なに?」 「樺島 碧にお店の宣伝お願い!」 まさか! そんな危険なことはしたくない。 断るのは不自然だし、ここは預かって、渡したふりをしよう。 「了解。」 俺は、リカから受け取った。 「珍しく文句言わないんだね?」 「いや、ほら、リカの店って、芸能人けっこー来るから、まぁいいかな?って。」 かなり慌てていた。 普段なら、面倒だからって断る俺なだけに。 「そ?じゃ、よろしくー!」 リカはご機嫌だ。 「これからさ、どんどん忙しくなるから、あんま会いに来れなくなるかも。」 座ったまま、後ろからリカを抱きしめると、リカは俺の腕の中で後ろから見てもわかるぐらいに落ち込んだ。 「合間に電話とかメールとか、ちゃんとしてよ? あと、どんな時間でも、お仕事終わったら連絡してね?」 「了解。」 そう言いながら、リカにキスをした。 最初は短く、徐々に激しく‥ 「浮気すんなよ?」 女々しいとは思うけど、どーしても言っておきたかった。 「わかった。」 リカは、口角を上にあげた。 「瞬もだよ?」 俺は何も言わずに、微笑して、リカのおでこに、そっとキスした。
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