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リカは俺のおかげで、いち早く、大河ドラマの出演者をチェックしていた。
「あ、樺島 碧も出るんだ!」
リカは俺達が付き合ってたことを知ってるのか?
リカは日本にいない間のことだけど‥
「可愛いよね~。
私、結構ファンなんだ~。」
マジかよ‥。
「ふぅん。」
下手に何も言えなくて、そっけなくした。
「あ、そーだ!
コレ渡してよ。」
リカは、お店のカードを差し出した。
「なに?」
「樺島 碧にお店の宣伝お願い!」
まさか!
そんな危険なことはしたくない。
断るのは不自然だし、ここは預かって、渡したふりをしよう。
「了解。」
俺は、リカから受け取った。
「珍しく文句言わないんだね?」
「いや、ほら、リカの店って、芸能人けっこー来るから、まぁいいかな?って。」
かなり慌てていた。
普段なら、面倒だからって断る俺なだけに。
「そ?じゃ、よろしくー!」
リカはご機嫌だ。
「これからさ、どんどん忙しくなるから、あんま会いに来れなくなるかも。」
座ったまま、後ろからリカを抱きしめると、リカは俺の腕の中で後ろから見てもわかるぐらいに落ち込んだ。
「合間に電話とかメールとか、ちゃんとしてよ?
あと、どんな時間でも、お仕事終わったら連絡してね?」
「了解。」
そう言いながら、リカにキスをした。
最初は短く、徐々に激しく‥
「浮気すんなよ?」
女々しいとは思うけど、どーしても言っておきたかった。
「わかった。」
リカは、口角を上にあげた。
「瞬もだよ?」
俺は何も言わずに、微笑して、リカのおでこに、そっとキスした。
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