6、試練

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「リカちゃん、最近、元気ないね?」 忙しい瞬とは違って、いつもと同じように時間が流れるリカには、瞬からの連絡を待つばかりで、不安定になっていた。 「あ、ごめん。 ‥仕事やりにくいよね。」 海とお店の後片付けをしているリカだったけれど、ずっと上の空。 少し前までは、楽しく話しながらしていた。 「そーいや、彼氏とはどぉ?」 リカは、海にだけは、瞬との関係を知らせていた。 というより、相談にのってもらったり、惚気話を聞いてもらったりしていた。 「うん‥。 瞬は、忙しいからね。」 「だよね。 俺でよければ?」 海は、リカの肩に手を回した。 「もー! 海は、何にも感じなくても、こっちはドキッとするよ!」 海はゲイだから、女性に触れるのは簡単なことだ。 「へー、そうなの?」 「海狙いでお店に来てるお客さん沢山いるし。 てか、自覚してるでしょ?」 「まぁねー。 これだけイケメンなら仕方ないよね。」 海は自他共に認めるイケメン。 中性的なところがどちらにもウケるというわけ。 「すごい自信だね。」 「リカちゃんは、自信ないの?」 「ない‥。 てか、瞬を好きになればなるほど、なくなっちゃう。」 海は、リカを抱きしめた。 「ずっとさ、泣きそうな顔してる。」 リカは動揺していた。
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