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「リカちゃん、最近、元気ないね?」
忙しい瞬とは違って、いつもと同じように時間が流れるリカには、瞬からの連絡を待つばかりで、不安定になっていた。
「あ、ごめん。
‥仕事やりにくいよね。」
海とお店の後片付けをしているリカだったけれど、ずっと上の空。
少し前までは、楽しく話しながらしていた。
「そーいや、彼氏とはどぉ?」
リカは、海にだけは、瞬との関係を知らせていた。
というより、相談にのってもらったり、惚気話を聞いてもらったりしていた。
「うん‥。
瞬は、忙しいからね。」
「だよね。
俺でよければ?」
海は、リカの肩に手を回した。
「もー!
海は、何にも感じなくても、こっちはドキッとするよ!」
海はゲイだから、女性に触れるのは簡単なことだ。
「へー、そうなの?」
「海狙いでお店に来てるお客さん沢山いるし。
てか、自覚してるでしょ?」
「まぁねー。
これだけイケメンなら仕方ないよね。」
海は自他共に認めるイケメン。
中性的なところがどちらにもウケるというわけ。
「すごい自信だね。」
「リカちゃんは、自信ないの?」
「ない‥。
てか、瞬を好きになればなるほど、なくなっちゃう。」
海は、リカを抱きしめた。
「ずっとさ、泣きそうな顔してる。」
リカは動揺していた。
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