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ハードな生活が続いて3年。
芝居にのめり込みすぎて、なんだか、近頃はオンとオフの切り替えが出来なくなってきた。
俺って‥
どんな奴だっけ?
わからなくなってきた…。
「…和泉さん、プレゼントちょうだい。」
「あげたし。」
和泉さんからは、俺が欲しがっていた、電動歯ブラシをもらっていた。
「今年だけ、もう1こ。」
誕生日で更に体力を使った今日だからか…
なんか、今まで感じたことない気分になった。
「1ヶ月休みたい…。」
忙しくなって、3年。
仕事が楽しくて、休みは要らないとさえ思ってた。
「…そうだよね。
うん、社長と話し合ってみようかな。
とりあえず、今月でクランクアップだしね。」
今やってる仕事が一段落すれば、ゆっくり心身共に休みたい。
和泉さんには、本当感謝してる。
無理させられたことは一度もなく、いつも俺を尊重してくれている。
だから、絶対NGだな…
て思った仕事も、和泉さんに説得されると、やる気になってしまう。
「もし、1ヶ月お休みとれたら、なにしたい?」
あ…
考えてなかったな。
その時、ふと頭に浮かんだ。
「…ハワイ行ってこようかな。
まだ行ったことないからさ。」
仕事でヨーロッパやアメリカには行くことはあった。
王道のハワイは、まだ行けてない。
「え~!
彼女もいないのに?
ハネムーンにでも行けばいいのに。」
「一人でボーッとしたいんだよ。」
和泉さんは、俺を哀れんだ目で見た。
「付き合いたい男No.1なのに、寂しいわね~。」
「ゼンゼン!」
俺は、生涯独身でもいけそうなんだ。
恋愛で、喜怒哀楽してる和泉さんが理解できない。
ましてや、よく俺に相談なんかしたりしてくる。
「私はハネムーンに行くって決めてんの!」
「つぅか、婚約期間長すぎだろ?
4年になりますが?」
和泉さんは、36歳になる。
「もうすぐかな…。」
俺も何度も会ったけど、理解力がある彼氏だ。
「何?喧嘩でもした?」
「まさか!
でも、もう近いと思う。」
うまくいってるのに、和泉さんは切ない顔をしていた。
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