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一応、リカにメールをしておくか。
いくら碧と二人きりじゃないとしても、俺が行くことが動揺させてしまうだろう。
「海!聞いて聞いて!
今から、瞬が来るのよ。
しかも、樺島 碧も一緒だって。」
メールを読んだリカは、嬉しそうに海に伝えていた。
一方、海は眉をひそめた。
「樺島 碧ってさ‥あ、やっぱ何でもない。」
「なによー!
樺島 碧って、可愛いんだよねー。」
海は何か言いたそうにしているけれど、リカの嬉しそうな顔を見て、躊躇している。
「気持ち悪いから言って!」
リカは海のほっぺを強く摘んだ。
「ぃってぇ!」
「ほら、はやくー!」
海はリカの手を掴んでやめさせた。
「じゃ、聞くけど。
リカちゃん、樺島 碧が朝比奈 瞬の元カノって知ってる?」
ご機嫌でふざけていたリカが少しずつ真顔になっていく。
「やっぱりね。」
海は、小さくため息をついた。
「そ、そーなんだ。
へぇ‥びっくり。」
リカは、無理して作り笑いをしている。
「瞬は、言ってなかったんだね。」
確かに、リカがファンだと言って紹介して欲しいと言ったら、微妙なそぶりだった。
「わぁ~素敵!」
甲高く可愛い声が聞こえてきた。
「来たみたいよ?」
海は、顎で合図した。
「ア、アローハ!」
振り返ると同時に、リカは何でもないそぶりをして見せた。
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