1、運命

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「あ゛っ!」 あっという間だった…。 オープンカーでやって来た二人組に奪われた。 やべぇ。 ついつい、いつもどおり、肩に片手で背負ってしまった。 呆然としていると、トランクを持ってる腕をひっぱられた。 「ポリス行こっ!」 焼けた肌に、真っ黒のロングヘアーで、キャミソールのロングワンピース。 日本人なのか? 見るからに、ココナッツガール。 「私、ナンバー見たよ!」 手の甲に荒々しく、車のナンバーらしきものを書いて見せた。 「早くっ!」 俺は、唖然としたまま、彼女の車に乗った。 「ハワイの人?」 彼女もまた、オープンカーに乗っていて、エンジン音や風がすごくて大声で聞く。 「違う! 留学してんの! そっちはバカンス?」 「そのつもりだった!」 運転も荒々しい。。。 「ところでさ、貴重品はあるよね?」 信号で停車中。 「後悔してる…。」 まさかの話…。 財布もパスポートも航空券もバックの中だった。 彼女は、左手で髪をグシャッとした。 「パスポート再発行して、カード止めなきゃ!」 一緒に警察に行って、俺の代わりに色々と説明してくれた。 「日本語で大丈夫だから、カード止めてもらいなよ。」 何やら、カード会社につないでくれたらしい。 あとは、パスポートを取得するための手続きを手伝ってくれたりした。 こんなことになると、ペラペラの語学力がなけりゃ絶対無理だから、本当に助かった。
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