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「あ゛っ!」
あっという間だった…。
オープンカーでやって来た二人組に奪われた。
やべぇ。
ついつい、いつもどおり、肩に片手で背負ってしまった。
呆然としていると、トランクを持ってる腕をひっぱられた。
「ポリス行こっ!」
焼けた肌に、真っ黒のロングヘアーで、キャミソールのロングワンピース。
日本人なのか?
見るからに、ココナッツガール。
「私、ナンバー見たよ!」
手の甲に荒々しく、車のナンバーらしきものを書いて見せた。
「早くっ!」
俺は、唖然としたまま、彼女の車に乗った。
「ハワイの人?」
彼女もまた、オープンカーに乗っていて、エンジン音や風がすごくて大声で聞く。
「違う!
留学してんの!
そっちはバカンス?」
「そのつもりだった!」
運転も荒々しい。。。
「ところでさ、貴重品はあるよね?」
信号で停車中。
「後悔してる…。」
まさかの話…。
財布もパスポートも航空券もバックの中だった。
彼女は、左手で髪をグシャッとした。
「パスポート再発行して、カード止めなきゃ!」
一緒に警察に行って、俺の代わりに色々と説明してくれた。
「日本語で大丈夫だから、カード止めてもらいなよ。」
何やら、カード会社につないでくれたらしい。
あとは、パスポートを取得するための手続きを手伝ってくれたりした。
こんなことになると、ペラペラの語学力がなけりゃ絶対無理だから、本当に助かった。
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