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吐息の会話にピリオドを打ち、意を決して俺は熊に近付く。 ゆっくり・・・ゆっくり・・・と。 熊が小さな声を出すたびに心臓が止まりそうになった。 ダルマさんが転んだを一人でやっている気分だ。遊びではなく命懸けの。 「ゥウウウ・・・!!」ドンッ!!! 熊が突然寝返りをうった。全身に電気が走り、金縛りにあったかのように身体が固まる。 !? でも熊はまだ起きていない。 ・・・しかし、この分だと起きるのは時間の問題だ。 「ちょっと!行くよ!!」 腕を引っ張られ金縛りが解けた。 熊が寝返りを打った際にうまく女は逃げ出せたようだ。熊に注意し過ぎた。 セミロングの栗色の髪が前方で揺れている。女の顔を見損なった。
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