昇華

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「・・・せん、ぱい・・」 「美晴?」 美晴の苦しそうな声に驚き俺は腕の力を緩めた。 強く抱きしめ過ぎたようだ。 俺を見つめる美晴の顔・・。・・・その先に黒い影が見える。 俺はそれを確認するために両手を伸ばして距離をとった。 「美晴・・・おまえ・・・」 美晴の鳩尾(みぞおち)にナイフが突き刺ささっている。美晴の手が真っ赤に染まっていた。 「先輩の・・・腕のなか・・で、死にたかったの・・」 美晴は最後の力を振り絞って口角をあげた。幾つも涙が頬を伝っていく。 「美晴っ!!!!おまえ、おまえッ!!!」 震える美晴をもう一度強く抱きしめた。 「美晴ッ・・・、美晴ッ!!」
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