運命

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「とりあえず此処で休憩しようか?」 座り易そうな石の場所へと彼女を誘導する。 「私先輩に告白したことあるんですよ。・・・高校2年の秋。体育祭の次の日に。覚えてないですか?」 「・・・えっ!?ぁ・・・あ・・・、ごめん」 眼球がコロコロ動く。色んな意味で眩暈を起こしそうだ。 「あの頃の先輩すっごく恰好良くて、バスケの試合をよく友達と応援しに行っていました。っというか今も・・・。チェックしていますよ、先輩が出ている雑誌」 「本当?ありがとう!」 嬉しくて身を乗り出し手を握る。透き通るような黒い瞳が、更に大きく・・・ 「あっごめん」 慌てて俺は手を離した。頬を赤らめ自分の手を握り締めたまま彼女は固まっている。 心がビクンと震えた。
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