運命

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「こんな樹海に!?女の子ひとりで?危ないよ!」 「解っています。でもどうしても調べたいことがあって・・・」 「調べたいこと?」 ガサガサガサ!!!!後ろの茂みから音がした。 俺と美晴ちゃんは目を合わせる。しかし、時はすでに遅かった。 俺達の背後に両手を広げた熊がそびえ立っていた。 「危ない!!」 俺は美晴ちゃんの体に覆い被さった。そして、死を覚悟する。 ・・・んっ?何も起きない。 「おい、兄ちゃん達」 代わりに人の声がした。男の声。俺はスッと後ろを振り返る。 俺の瞳に飛び込んできたのは・・・ 人ではなく、今にも襲ってきそうな熊の顔面だった。 俺は声を出すことが出来ない。そして、そのまま意識が遠くなっていった。
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