REAL

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「・・・おっちゃん」 「うおおお、いいね~」 熊がガッツポーズをして喜んでいる。 「昔雇っていた若いもんにも社長じゃなく、おっちゃんって呼ばせていてな・・・、あ~懐かしいわ」 屈む熊の背中が寂しく見える。 風貌は怖いが中のおっちゃんからは優しさが溢れていた。短い時間でそれだけは分かった。 「職人さんだったんですよね?」 「そうやでぇ」 両手を腰にあて熊が威張っている。 「まさか、それ剥製から作ったんじゃないですよね?」 「・・・実は、そうなんや」 「ええ!」 「ワッハッハッハ!冗談や!・・・実は儂、特殊メイクの技術を持ってんねん」 俺は感嘆の声をあげた。
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