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おっちゃんが遭難したのは3日前だという。
首を吊ろうとしたが死に切れず、ひとりでこの森をさ迷い続けていたらしい。
その話が出たとき、美晴が今朝この森に車でやってきたことも分かった。
遭難したのは俺と同時刻くらいだろうか?
ここでも俺は美晴との運命を感じていた。
「これですべてや」
「ありがとう、おじさん」
「姉ちゃんも辛かったな。話をしたら大事なもん思い出したわ。こちらこそ話を聞いてくれて、おおきにな」
「私はそんな・・・」
一人一人にこうやって耳を傾けることができたらどれだけの人を救えるのだろうか?
単純なようで難しいことなのかもしれない。・・・いや、難しいことのようで実は簡単なのかもしれない。
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