CATHARSIS

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熊が腕を組んで考え込んでいる。あれから1時間が経とうとしていた。 「この辺りやと思ったんやけど」 天はすっかりオレンジ色に染まり、地は黒色の侵食が始まっている。 マネージャーはすでに捜索願いを出しているかもしれない。 「どうしよう・・・」 俺は2つの意味でその言葉を口にした。事が大きくなってしまったことを俺は悔いていた。 「とにかくもう少し探してみようよ」 美晴は疲れた顔を見せず笑顔だ。俺は丸一日の疲れが身体に圧し掛かっている。 子を産む女性はやはり強いなと感心する。 「これ以上動くのは危険だな」 闇が世界を呑み込もうとしていた。
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