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「ねぇ、あそこ見て!」
美晴が指差す方向を見る。
「あれ、灯りやないか?」
・・・灯り? 俺にはよく見えない、疲れからだろうか。
木々の隙間からひとつの希望の光が差し込んだようだ。
近づくに連れ俺にも見えるようになった。光りは1から2つ、2つから3つへと数が増えてゆく。
陽が顔を隠し、天は明るいがもう足元は見えない。手探りで前に進んでゆく。
「美晴大丈夫か?」
「私は大丈夫。先輩は?」
「あぁ、大丈夫だ」
「おっちゃんは?」
「大丈夫やで」
ただでさえ着ぐるみで視界が狭いはずなのに、この暗さでよく歩けるな。
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