CATHARSIS

3/5
前へ
/117ページ
次へ
「ねぇ、あそこ見て!」 美晴が指差す方向を見る。 「あれ、灯りやないか?」 ・・・灯り? 俺にはよく見えない、疲れからだろうか。 木々の隙間からひとつの希望の光が差し込んだようだ。 近づくに連れ俺にも見えるようになった。光りは1から2つ、2つから3つへと数が増えてゆく。 陽が顔を隠し、天は明るいがもう足元は見えない。手探りで前に進んでゆく。 「美晴大丈夫か?」 「私は大丈夫。先輩は?」 「あぁ、大丈夫だ」 「おっちゃんは?」 「大丈夫やで」 ただでさえ着ぐるみで視界が狭いはずなのに、この暗さでよく歩けるな。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

261人が本棚に入れています
本棚に追加