261人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
目印を頼りに3時間色んな方向に歩いたが、どうも同じ場所に何度も帰ってきてしまっているようだ。
方向感覚には自信があったのに。
俺は「迷子」から「遭難者」へとランクが上がった。
陽がだいぶ昇ってきた。
・・・暑い。避暑地とは言え真夏にこれだけ歩き回れば当たり前のことだ。
それに俺の着ているモノは冬物。脱ぎ捨てたいが衣裳を捨てることはプロとしてできない。
どんなに暑かろうが寒かろうが、余裕ぶってクールにレンズに向かうのがプロの仕事だ。
俺は意地になって未だコートすら脱がずにいた。
衣裳を汚している時点でプロ失格だと言われたらそれでおしまいなのだが。
最初のコメントを投稿しよう!