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ひとつだけの救いは、3ポーズ目の衣裳で遭難したこと。
左手に腕時計が嵌められている。これで時間だけは確認することができた。
どこでツケたかのは分からないが、硝子面に深い傷がついている。
遭難していることより、身に着けているものがすべて買い取りになる方が怖い。
一体いくらになるんだろうか? 事務所は出してくれないだろう。
このまま帰らなくてもいいかな、とそんな考えが頭を過ぎった。
遭難してからだいぶ時間が経過している。杉田さん達は今何をしているのだろうか?
一旦車まで戻ったのだろうか?
こんなことなら休憩時間に使った携帯電話をマネージャーに預けるんじゃなかった。
最近の携帯は凄い。こんな樹海さえ通じるのだから。日本の携帯会社は優秀だ。
まぁ必要なときに持っていなければ何も意味がない。
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