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「キャーーー!!」
突然遠くから女の叫び声が聞こえてきた。
そして、俺は気付けば走っていた。無我夢中で声がした方向に。
「女性を助けたかった」と言ったら嘘になる。俺は誰でもいいから早く人に会いたかった。
走っているなかで俺は気付く。今日のクルーのなかに女がいなかったことに。
スタイリストさんもヘアメイクさんも全員男だ。
じゃあこんな森のなか一体誰が? もしかして出口?
俺は期待した。乱暴に茂みを掻き分けて進む。
そして、ひと際大きい樹を先に見付けた。取り合えずそこを目指す。
「お~い、誰かいるのか?」
声がしたのもこの辺りだと思うのだが返事がない。
このまま独りきりかもという不安が再び湧き上がってきた。
そして、それは突然起きた。
茂みを掻き分けた先・・・
森のなかで、俺は熊と出会った。
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