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ヨウスケと二人、あーでもないこーでもないと言い合いながら、僕らは姉へ送る花を選んだ。
クリスマスっぽく、赤と白を混ぜた花束が出来上がり、店員さんにお礼を言う。
当初の予定よりオーバーした金額だったけれど、楽しかったので良しとすることにして店を出る。
「ヨウスケ、ありがとね」
「いや、俺も母ちゃんに買えたしいいよ。これ可愛いよな、何だっけ、フラフープフラワー?」
「フランネルフラワーね」
「そうそう、それ」
フランネルフラワーは、ほわほわした細かい毛に覆われていて、白とも言い難い不思議な色合いだった。
古い写真の中のもののようで、現実とは思えない様子。
不思議なそれを見て、ヨウスケは「遥さんに似てる」と言った。
否定せず、それを花束に織り交ぜたのは、確かに僕もそう思えたからだった。
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