一、『アリクイの舌・千切れる』

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「ええ、ここは森ですよ。ですが、森にも住人はちゃんといるのです。住人が存在する限り、ここが街であることに相違ありません」 なるほど、言われてみればその通りだ。 空を見れば青い鳥が群れをなして翼をはためかせているし、足元を見ればアリの一団がぞろぞろと黒いラインを作っている。 黒いラインにうっとりと見とれていると、突然しげみの中からピンク色の長いロープのようなものが現れた。 にょろにょろとうねって、ちょっと恐い。
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