一、『アリクイの舌・千切れる』

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「ぐえっ!!」 苦痛に満ちた声と共に身体から倒れてきたそれは、自分の口から伸びるピンク色のロープ・すなわち舌を引っ張られたことがよっぽど痛かったのか、しばらく倒れたままうんうんとうなっていた。 蟻塚を掘るために使うするどい爪を誇る両手に、肌色の毛並み、頭のてっぺんと背中にかけて広がるひょうたん形のコケ色模様。 そして特徴的な、長い舌とひょろ長い顔。 そう、彼は、 獏だ。
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