出会い

2/3
前へ
/13ページ
次へ
彼を見たのは、街中。 本当に、ただの街中。 強いて言うなら、クリスマスが近くて、きらきらとイルミネーションが主張しあってたのが少しだけ、滑稽だったこと。 都会の部類に入る北国のここは、昨日ふった粉雪にイルミネーションが乱反射して、いつもながらに眩しかったことも、少し心に残ってる。 彼は何故か目に留まって、惚けたように見つめていた。 多分、一秒もしないぐらいの微妙なずれで、彼もこっちを向いた。 あっちもあっちで、こっちをじっと見つめてて、必然的に見つめ合うことになった。 「こんばんは。」 そういって笑った顔が、何故か凄く魅力的な気がして、一生懸命焼き付けた。 見つめ合ってる癖に、自分に言われたことに気づくのに、変な間があって、慌てて挨拶を返したのも、彼との記憶である以上、鮮明だ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加