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彼を見たのは、街中。
本当に、ただの街中。
強いて言うなら、クリスマスが近くて、きらきらとイルミネーションが主張しあってたのが少しだけ、滑稽だったこと。
都会の部類に入る北国のここは、昨日ふった粉雪にイルミネーションが乱反射して、いつもながらに眩しかったことも、少し心に残ってる。
彼は何故か目に留まって、惚けたように見つめていた。
多分、一秒もしないぐらいの微妙なずれで、彼もこっちを向いた。
あっちもあっちで、こっちをじっと見つめてて、必然的に見つめ合うことになった。
「こんばんは。」
そういって笑った顔が、何故か凄く魅力的な気がして、一生懸命焼き付けた。
見つめ合ってる癖に、自分に言われたことに気づくのに、変な間があって、慌てて挨拶を返したのも、彼との記憶である以上、鮮明だ。
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