始まり

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チャイムが鳴り終わると、あのいつも上機嫌な先生が入ってきた。 「は―い、みんな―注目――。今日は席替えをするわよ。あ、ちなみにクジだから文句とか言わないでね――」 どうやら今から席替えをするようだ。 クジで席を決めるらしく、出席番号順に先生の持っている箱から紙を引いていった。 俺は…………25と書かれている。 ん――っと、俺は窓際の一番後ろの席だな うん。なかなか、良い場所だ。 俺の席からは、外の校庭が一望できた。 季節は春。桜が綺麗に花を咲かせていた。 「…………また……隣だね…………」 ん、聞き覚えがある声が聞こえる。 声が聞こえた方に振り向いて見た。 「!!……木下……さん…………」 突然の出来事に、驚いた……。 顔が熱くなっていくのが、はっきりとわかる。 胸の中では、心臓が暴れている…………。 「そう……だね……よろしく……」 声が震えている……。 でも、無理はないだろう あんなに綺麗な瞳で見られているのだから……。
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