雨の中の出会い

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    「お先失礼しま―す」 バイトの同僚に挨拶をし、今日もいつもと変わらない帰り道を歩き出す。 そう いつもと変わらない道……のはずだった。 あの出来事が起きるまでは……。 「おいおい。こんなに降るなんて聞いてないよ」 溜息をつきながら雨の中を走る男。そう俺だ。 俺は水嶋徹(みずしまとおる) どこにでもいる至って普通の高校2年生だ 自分で言うのもあれだが、頭はそこそこいい。 顔は……まぁ、まあまあだな。 悪くはない……と思っている。 なんか自分で言っててむなしくなってきたな 「はあはあ。もう少しだ」 濡れるのが嫌いな俺は、必死に走った。 空き缶、犬、壊れた傘、人 色々な物の横を突っ切って走った。 ……え?人? 「おい!!あんた大丈夫か!!」 俺は、咄嗟に叫んだ だが、白いワンピースに身を包んだ女の子が目覚める事はなかった……
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