第2話 我が逃走っ!

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「どこだっ!」 妹達は見当たらない。 クレープ屋、アイスクリーム屋、ドーナッツ屋、どこを見てもいない。 「くそ、どこ行きやがった?」 するといきなり可愛らしい声が聞こえてきた。 「チアキ~、行くよ~」 「あ、うん、今いく~」 そこか!! フッフッフッ、我が妹ながら手間をかけさせてくれる。 お前達に諭吉はまだ早すぎる!! 「カナ、ナツキ、チアキ!!」 声をかけられた3人は揃って振り返る。 「ユキ兄!!どうしたの??」 「実はな、お前達に間違えて、」 「雪那じゃねぇか!!」 いきなり後ろから名前を呼ばれ、俺は振り返る。 そこには、同じ学校の生徒が立っていた。 「あれっ、アキ!!」 こいつは川崎明(カワサキ アキ)。 俺のクラスメートで結構仲良しだ。 顔立ちはまあまあで性格もいい。 ただ1つこの状況においてはコイツに会うのは非常にマズイ。 「我が妹たちよ……」 「はっ!!」 「はっ!!」 「はっ!!」 なぜに軍隊?? 「散れ!!思う存分買い物を楽しむがよい!!!」 「承知した!!」 「申し受けた!!」 「御意」 なぜに戦国武将?? てか、小学2年が『御意』とか言うか?? 妹達はすぐに キャハキャハ 言いながら再び人混みに消えて行った。 「フッフッフッ、お前に我が妹達をやるわけにはいかん!!」 「ちょっとぐらいいいじゃねぇか!!」 そう、コイツは少々ロリコンなのだ。 「もう、ペドの域に達しているかもしれない……」 「達してねぇわ!!てかお前、妹達に用があったんじゃねぇのか??」 …………………… しまったあぁぁぁぁ!!!!!! 「ヤバイ、このままでは、諭吉がいなくなってしまう」 「はっ???」 「すまねぇ、ちょっと急いでんだ!!」 俺は再び子供達を追い掛ける。 いや待て、その表現はマズイ。 俺は再び妹達を探しに行く。 そう、これだ!! おっと、早く探しにいかなくては…… 俺は人混みを掻き分けて妹をさがすため走り出した。
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